喜界島の概要喜界島は、奄美大島本島の北東端、北緯28度20分、東経130度00分に位置しており、鹿児島から約380km、奄美大島からは約25kmの距離にあります。喜界島の面積は約57㎢、周囲約50kmで、南北に14km、東西に約8kmの楕円形をしています。最高地点は211mで、平らな島です。喜界島は約10万年前にサンゴ礁が隆起してできた島で、現在も年間平均約2mmの速度で隆起しており、この隆起速度は世界でもトップクラスとされています。喜界島は海底から隆起しているため、奄美大島や徳之島では見かける猛毒のハブやアマミノクロウサギなどは生息していません。島内には亜熱帯性の植物が豊かに育ち、ガジュマル、フクギ、ソテツなどの巨木が見られます。また、喜界島は「蝶の島」としても有名で、別名「南の島の貴婦人」とも呼ばれるオオゴマダラが町の保護蝶に指定されています。渡り蝶のアサギマダラなども生息しています。歴史的にも魅力的な島であり、古代から中世にかけての遺跡が多く、特に大宰府との関係も深いとされています。遺跡は現在も発掘が続けられており、まだ解明されていないものも多いです。阿伝(あでん)集落にある美しいサンゴの石垣や、第二次世界大戦時に砲弾が神社の釣り鐘に転用されたもの、街中に戦闘指揮所跡が残っているなど、歴史を感じさせる場所も多くあります。喜界島の気候気候は亜熱帯海洋性気候で、平均気温は23℃と、年間を通して温暖な気候です。奄美大島と同じ亜熱帯気候に属しますが、上昇気流が起きにくいフラットな地形のため、雨は圧倒的に少なく、晴れ間が多く感じられます。冬は最低気温が13℃程度となり、晴れることが少なく、風が強く吹くため、体感温度はさらに低く感じられます。梅雨入りはゴールデンウィークの時期が多く、梅雨の間は高温多湿となり、虫やカビとの戦いが避けられません。6月下旬から7月上旬に梅雨が明けますが、気象庁の発表を待たなくても、体感でその到来を感じることができます。梅雨明け後はカラッと晴れて強い日差しが降り注ぎますが、最高気温は32℃程度で、東京より涼しく感じられます。ただし、台風の当たり年には、毎週のように台風が通過することもあります。長い夏が終わるのは10月頃で、紅葉は見られません。季節風が南風から北風に変わり、数日おきに寒暖差が感じられるようになります。冬の到来は12月中旬頃です。喜界島の文化行事の大半は旧暦に基づいて行われ、潮の満ち引きや月の満ち欠けが生活と密接に関わっています。島の方言で繰り広げられる唄や踊りは、集落行事や日常生活の中で今も生き続けています。中には、「ソーミンガブー」※1のように、特定の集落でしか行われない伝統行事もあります。ヤギはよく食べられ、海岸や畑のそばなどで、ヤギの飼育小屋をよく見かけます。お正月やお祝いの際には、「三献(さんごん)」が供されます。喜界島の三献は奄美大島とは内容が異なり、「スディブタ」※2、「シームン」※3、「サンペーツキ」※4など、地域ごとの特徴があります。※1「ソーミンガブー」中里集落だけで行われる100年以上続く伝統行事。安全祈願や五穀豊穣を願うお祭りで、やぐらから投げられるソーメンの束を住民が取り合う奇祭。※2「スディブタ」正方形の塗り盆に、魚、豚肉、卵、大根、人参、昆布、豆腐の七品や、豚レバー、豚の耳、イカ、田いも、てんぷらなどの縁起物を盛りつけた料理です。※3「シームン」餅、魚、豚肉、昆布、ねぎ、ゆで卵、シイタケ、鶏肉の吸い物です。※4「サンペーツキ」酢の物です。喜界島の人口(2025年2月28日現在)喜界町は1町で構成されており、37の集落に約6,500人が暮らしています。総面積(㎢)世帯数人口(人)人口密度(人/㎢)高齢化率(%)56.823,6386,299111ー喜界島の主な産業基幹産業は農業で、総面積の約40%にあたる22.5㎢が耕地です。主要作物は、サトウキビ、日本一の生産量を誇る白ゴマをはじめ、マンゴーやトマトなどが栽培されています。また、花良治(けらじ)みかんなどの在来柑橘類が多くあります。>> 喜界島のその他の情報を探す