ゆりこさん

ゆりこさん~表現が難解な奄美大島の魅力を伝えるオタクガイドになりました

(2023/8更新)

シングル アラフィフ 横浜出身 奄美大島在住 エコツアーガイド兼デザイナー兼特産品マーケッター

何気なく訪れた奄美大島にハマってヘビーリピーターとなり、翌2005年に移住。
11年間、生活に便利な名瀬市街地で暮らしていましたが、
体調を崩し一旦実家へ戻りました。
でも、島への思いが断ち切れず、2020年に仕切り直して宇検村へ再移住。
奄美群島発のコミュニティFM局の立ち上げ、観光スポットの発掘やプログラム作り・
ガイド育成、地域おこし協力隊など、盛りだくさんの経験をしました。
現在はエコツアーガイドの傍ら、デザインや特産品関連の仕事もこなすマルチワーカー。

エコツアーガイドって、どんなお仕事?

島のおじおばから教わったことを次の世代に引き継いでいきたくて、
エコツアーガイドを始めました。

旅行者のわがままを叶えるだけの観光では、いずれ地域は壊れてしまいます。エコツーリズムは、開発中心の産業から方向転換し、地域住民が主役になって自然や暮らし、環境を保護しながら持続性のある観光地域づくりのことです。エコツアーガイドは、その水先案内人。旅行者が地域に負担をかけないように、地域の楽しみ方やルールを伝えていく役割を果たします。

奄美大島でガイドをしてみたいという移住希望者がいらっしゃいます。ガイドは接客業なので、身だしなみや気づかいは最低限必要だし、安全第一も重要。そして、奄美大島は観光地と生活圏に境界がないので、お客さんだけでなく地域の方への配慮も大切です。自然も文化も言葉も歴史もそれぞれが深くて特別なので、ずっと勉強し続けることは必要です。それを楽しめる人だったら向いているんじゃないかな。中には研究者にも負けない得意分野がある人もいます。

奄美大島でエコツアーガイドになるには「奄美大島エコツアーガイド連絡協議会」に加入し、保険加入、基礎講座の受講、住民歴直近2年以上、会員の推薦などが必要です。
奄美群島はエコツーリズム法でガイド特区に認められた地域です。通常は白タク行為で法律違反となる自家用車を使ったガイドは各島で認定された団体の会員に限り認められています。

移住者10

奄美大島との出会いは?

ふらっと一人旅でたまたま出会った島でした。

横浜育ちと言っても、商店街やご近所付き合い、親戚付き合いが濃い環境で育ったので、いわゆる都会育ちとは言い難いかもしれません。

イラスト系の専門学校を卒業し、憧れていた漫画家の事務所で広報誌の編集の仕事についたものの、ブラックな環境で自律神経失調になり一年で離職。その後は主に物流業界への派遣のお仕事で20代を過ごしました。派遣は休みの自由がきく環境だったので、ある時は友達と、友達の都合がつかないときはふらっと一人旅。そんな旅の行き先の一つが、たまたま奄美大島でした。

奄美大島では繁華街の中にある小さな旅館にお世話になりました。ちょうどオーナーが交代したばかりで、島を離れる前に、前のオーナーがおそらく自分の好きな景色をもう一度見ておきたいという思いもあってか、私に島を案内してくれました。当時の奄美大島は沖縄とは違って旅行者と地元の人との距離感が近かったので、住んでいる人たちの思いのかけらを感じました。

帰り道、島の人に空港まで送ってもらった時、なぜか車で泣いてしまいました。横浜に戻っても、きっちり1ヶ月、奄美大島にいる夢を見続け、当時はまだ少なかった奄美大島の情報を熱にうかされたように、毎晩、ネットで検索し続けました。

2度目の来島時、奄美大島のディープな音楽シーンに触れ、ヘビーリピーターへ。その後の移住を後押ししました。

移住者10

移住してすぐに仕事とか見つかったの?

私の場合、仕事のほとんどは人の紹介です。

私はお土産品などグッズの企画販売で起業を考えていました。そんな矢先に、奄美群島発のコミュニティFM「あまみエフエム・ディ!ウェイヴ」が開局準備をしている話を聞いて、何か協力できることはないかとボランティア志願を局に伝えに行きました。すると、スタッフがいないということですぐに職員に。もちろん未経験の仕事です。

その後、奄美市住用地区の観光プログラム開発事業に誘っていただき、観光スポットの発掘、集落歩きなどのツアーの企画や住民ガイドの育成をし、自分自身でもガイドをし始めました。

単年度契約で5年続いていた住用の仕事が終わってしまい、さらに体調を崩したため一度実家に帰ることにしました。部屋を引き払うための引越し代も残ってなかったのですが、10年暮らしたアパートの大家さんがとてもいい人で、荷物をおいたまま地元に帰ることを了承してくれました。

大家さんに迷惑をかけないよう、地元で仕事をして家賃を振り込み、2ヶ月ごとに休みをとって奄美に「帰省」。

3年が経ってようやく貯金が出来てきたころ、東京で奄美の民謡“シマ唄”のイベントを手伝う機会があり、そこで宇検村から応援に来ていた役場の方に、地域おこし協力隊募集のお話を伺いました。宇検村は大切な人のルーツがある場所で、帰っておいでと言ってもらえたような気持ちになりました。

移住者10

地域おこし協力隊って、どんなお仕事?

都会から過疎地への移住支援のための事業です。

自治体だけでは出来なかった+αの事業、「地域おこし」のミッションが与えられますが、任期後の定住に向けた活動を認めてもらえる場合もあります。宇検村の地域おこし協力隊は、お給料が奄美大島にしては高めで、家賃も役場が負担してくれました。

でも、地元の人やあまり稼いでいない移住者が協力隊の待遇を見たら、悲しくなったり妬んだりすることもあるかもしれません。また、都会から来た「専門家」が地域の悩みをずばっと解決してくれる、と過大な期待を持つ人もいます。

また、自治体や担当者によっては応募時と実際のミッションが変更になる場合があるので、面接の際は3年間の具体的な計画があるか、なければ自分が描いていいのかどうかなど、確認をしたほうがいいと思います。

退任後はそれぞれ地域で起業したり、役場勤め、会社勤めをしたりと色々です。でも、全員バラ色というわけではありません。地域になじめなかったり、事情があって出ていく人もいます。

3年間の任期中にどれだけ人脈づくり、マーケティング、起業準備ができるか。ミッションをこなしながらの3年間はあっという間です。自治体によっては、最後の1年は起業のためにほぼ自由な活動を認めているところもあります。

移住者10

これからの展望は?

「かなしゃる島」をアイコンに、ビジネスを展開中です。

「かなしゃる」とは島の言葉で「いとおしい」という意味です。

最初に旅行で来た時から、何か奄美大島に恩返しがしたいと思って情報発信をしていたときのブログ名を、初心に返るつもりで屋号にしました。

現在は
・奄美大島の深い森と水と人の暮らしを伝えるエコツアーガイド
・Webサイトやお土産品などのデザイン
が主ですが、

今後は
・小さな事業主さんの販路拡大をめざす通販サイト運営
・雨の日でも島らしい体験ができる施設の運営
にも取り組んでいきます。

私のビジネス

かなしゃる島 かなしゃる島
かなしゃる島
090-6153-8432
kanasharu_shima@icloud.com
https://kanasharu-shima.net
日々の活動は、Instagram/Facebookをご覧ください。
facebook

TOP