集落の主な組織集落運営の組織名称は島によって異なりますが、婦人会、子ども会、青年団、壮年団、老人クラブなど、年齢と性別によって所属する組織があります。自治会長に当たる区長(小組合長とも呼ばれる)と各組織の代表が集まり、日々の集落運営や行事日程などを討議し、集落民全員が集まる総会を1回~数回/年、開催するところが多いです。島の市街地では集落組織活動も希薄ですが、田舎での集落組織は自治に関わる部分も多いので活動も盛んです。参加は強制ではありませんが、よほどの理由がない限り「入らない」とは言い辛いです。奄美大島のとある集落の運営例 区長 会計 監事 老人クラブ会長 壮年団団長 婦人会会長 青年団団長 消防団代表 民生委員 子供育成会長 班長 ※集落内をグループ割。大きな集落は、集落内を幾つかの小自治グループに分けて運営しています。 班役員集落の主な行事奄美大島には5つの市町村にまたがる大小約200の集落があり、それぞれの集落を「シマ」と呼びます。シマごとに独自の文化や慣習が根付いており、例えば、どの集落でも執り行われる豊年祭も、北部では「種おろし」、南部では「ムチモレ」などと異なる名称で呼ばれています。豊年祭のほかにも年間を通して複数の集落行事があり、住民同士が助け合う「結の精神」を育む機会となっています。ただし、行事への取り組み方や住民の参加意欲は集落ごとに大きく異なります。集落行事への参加が当然とされ、準備作業も動ける集落民に割り当てる集落もたくさんあります。一方、高齢化が進む集落では、毎月行われていた清掃活動が2カ月に1回へと減少したケースも見られます。児童数の少ない校区の集落では、入学式や運動会などの学校行事も集落行事のひとつになっていて、幼児からお年寄りまで集落総出で盛り上げています。運動会の後の反省会は、通常はただの飲み会ですが、真剣に反省する集落もあります。複数の集落で1つの校区となっている場合、学校イベントは校区で行い、反省会などの宴席は集落単位で行うことが多いです。奄美市名瀬地区は近代になって新しく誕生した町が多く、これらの新興地域はここでいう集落には該当しません。地域行事や近所付き合いに不安を感じる方は、事前に移住先の集落の状況を確認し、自分に合った環境を選ぶことをおすすめします。集落行事の他に、島全体や自治体ごとに行う行事・イベントがあります。島の行事・イベント情報はこちら →奄美大島のとある集落の主な行事集落行事は集落ごとですが、小学校行事は校区単位で行われます。★は集落単位で参加する自治体行事【1月】年始式、集落駅伝、年の祝い【2月】集落清掃、町民フェア★【3月】卒業祝い、教職員送別会、出発式、教職員引越手伝い、集落清掃【4月】入学祝い、先生歓迎会、老人クラブ総会、集落清掃【5月】婦人会総会、集落清掃、バレーボール大会★、ソフトボール大会★【6月】浜おれ※1、集落清掃※1 浜おれ:旧暦の5月中旬に浜で行われます。稲穂につく害虫を取って、海や川に投げる「虫遊び」の名残。今は、昼間に船こぎ競争をし、夜は宴会が行われます。【7月】集落総会、集落清掃、夏祭り(舟こぎ競争、ステージ、花火)★【8月】送り盆の八月踊り、集落清掃、マスゲーム伝達講習会★【9月】敬老のお祝い、集落清掃【10月】小学校の運動会、種おろし※2、集落清掃、町民体育大会★※2 種おろし:奄美大島北部の各集落で10月下旬~11月上旬に開催する五穀豊穣の伝統行事。八月踊りと手料理の会食が主。奄美大島の南部では「モチムレ」や「豊年祭」などの名称で開催。【11月】グランドゴルフ大会、集落清掃、駅伝競走大会★【12月】常会単位の忘年会、集落清掃、ロードレース大会★集落ライフでの必要出費島暮らしと都会の生活で大きく異なるのは、集落内での付き合いの濃さと付き合いに伴う出費でしょう。都会では回覧板を回すだけのご近所付き合い、ゴミ出しなどを目的にした毎月数百円の自治会費で、その会費すら払わない人もいます。一方、島では集落内での人付き合いは濃く、自治会費も高いです。自治会費は「集落費」と呼びます。集落費以外にも集落への寄付や冠婚葬祭費などの出費があります。集落費集落単位で徴収し、主に集落公民館の光熱費や集落の区長手当(自治会長への報酬のこと)などに充てられます。 使途、金額や集金のタイミングは、同じ自治体でも集落によって違います。集落費の金額の高さに住み始めてからびっくりする移住者が多いので、 住まいを決める時に集落の区長に集落費について予め確認することをお勧めします。下記以外に、赤十字、赤い羽根共同募金、緑の羽根共同募金、社協会費の集金(年払い)があります。また、婦人会などの集落組織の会費は別途徴収、同じ集落の中でも隣組単位で忘年会費などを積み立てることもあります。【集落費(月間)の内訳】 奄美大島北部のとある集落の場合常会積み立て(お祭りの出費などに対する積み立て)¥500アンテナ(集落の共同TVアンテナ)¥300区長費(区長への手当)¥300衛生費(蚊の殺虫剤と作業費の積み立て)¥200防犯費(集落内の街灯の電気代)¥150合計¥1,450奄美市奄美市名瀬の市街地はゼロのところもある。笠利地区や住用地区は、数百円~2,000円前後/世帯を月1回集める集落が多い。集落によっては年払いもある。上記以外に、赤十字、赤い羽根共同募金、緑の羽根共同募金、社協会費の集金(年払い)がある。集落の婦人会などの会費は、区費とは別途に徴収。瀬戸内町数百円~2,000円前後/世帯を月1回集める集落が多い。上記以外に、赤十字、赤い羽根共同募金、緑の羽根共同募金、社協会費の集金(年払い)がある。集落の婦人会などの会費は、区費とは別途に徴収。龍郷町数百円~2,000円前後/世帯を月1回集める集落が多い。集落によっては年払いもある。上記以外に、赤十字、赤い羽根共同募金、緑の羽根共同募金、社協会費の集金(年払い)がある。集落の婦人会などの会費は、区費とは別途に徴収。宇検村数百円~2,000円前後/世帯を月1回集める集落が多い。上記以外に、赤十字、赤い羽根共同募金、緑の羽根共同募金、社協会費の集金(年払い)がある。集落の婦人会などの会費は、区費とは別途に徴収。大和村数百円~2,000円前後/世帯を月1回集める集落が多い。上記以外に、赤十字、赤い羽根共同募金、緑の羽根共同募金がある。集落の婦人会などの会費は、区費とは別途に徴収。寄付寄付は行事ごとに集められますが、主として行事参加者の飲食代に充当されます。ただし、豊年祭では集落への寄付として集落運営費を集めます。集落費と違い、寄付は金額が決まっているわけではありません。集金方法、相場金額、使途も、集落で異なります。 寄付=任意ではなく、寄付することは決まっているけれど、金額が自由だと思った方がよいでしょう。奄美市奄美市名瀬の市街地は寄付ゼロのところもある。笠利地区や住用地区は、種おろし開催時に寄付を集める集落が多い。金額は3,000円~1万円前後/世帯で、 祭りの出欠にかかわらず集落民は払う。使途は婦人会、青壮年団等の集落各団体の運営費等に充当される ことが多い。集落によっては、集落費は集めず寄付のみで運営費を賄っている。敬老会など、種おろし以外の行事の際も寄付は必要。参加者の飲食費や主賓へのお祝いなどに充てられる。瀬戸内町豊年祭開催時に寄付を集める集落が多い。金額は3,000円~1万円前後/世帯で、 祭りの出欠にかかわらず集落民は払う。使途は婦人会、青壮年団等の集落各団体の運営費等に充当され ることが多い。敬老会など、豊年祭以外の行事の際も寄付は必要。参加者の飲食費や主賓へのお祝いなどに充てられる。龍郷町種おろし開催時に寄付を集める集落が多い。金額は3,000円~1万円前後/世帯で、祭りの出欠にかかわらず集落民は払う。使途は婦人会、青壮年団等の集落各団体の運営費等に 充当されることが多い。敬老会など、種おろし以外の行事の際も寄付は必要。参加者の飲食費や主賓へのお祝いなどに充てられる。宇検村豊年祭開催時に寄付を集める集落が多い。金額は3,000円~1万円前後/世帯で、祭りの出欠にかかわらず 集落民は払う。使途は婦人会、青壮年団等の集落各団体の運営費等に充当されることが多い。敬老会など、豊年祭以外の行事の際も寄付は必要。参加者の飲食費や主賓へのお祝いなどに充てられる。大和村豊年祭開催時に寄付を集める集落が多い。金額は3,000円~1万円前後/世帯で、祭りの出欠にかかわらず集落民は払う。使途は婦人会、青壮年団等の集落各団体の運営費等に充当されることが多い。敬老会など、豊年祭以外の行事の際も寄付は必要。参加者の飲食費や主賓へのお祝いなどに充てられる。冠婚葬祭費移住者の多くが、「冠婚葬祭費の出費が多い」と言います。1回あたりの負担は都会よりも少ないですが、祝儀・不祝儀をお渡しする相手が親族、親しい友人だけではないので、結果として頻度が多くなり、金額もそれなりになります。結婚・葬儀に加え、棟上げ、新築祝いなど、近隣住民であればそれほど親しくなくても自宅で行われるお祝いに参加します。お祝い・弔いを集落民総出でお手伝いしたり、小学校の合同入学祝など集落民一同が介してお祝いしたりします。ただし、島や集落によって、付き合いの濃さはかなりバラつきがあります。友人とは呼ばない間柄であっても、お祝い・弔いをするのが当たり前だと思ったほうがいいところとそうでないところがあります。成人式、小学校入学、中学卒業、高校卒業などの当日は、多くの人が掛け持ちでお祝いに駆け付ける姿を見ます。お祝いが重なる時期は家計的に負担も大きくなりがちですが、おめでたい必要な出費と割り切りましょう。島や集落によって冠婚葬祭の風習や相場が違うので、詳細は地元住民に確かめましょう。結婚祝い式に出席する場合は5,000円程度で、引き出物なしが多い。ご祝儀のみの場合は2,000円~3,000円程度。その他の祝儀お祝いに参加する場合は、焼酎2本程度か2,000円~3,000円程度。合同祝いやそれほど近しくない場合は、1,000円~2,000円程度。不祝儀名瀬市街地の葬儀に参列する場合は、3,000円~5,000円程度。その他の場合は2,000円~3,000円程度。集落民一括で不祝儀を渡したり、返礼品なしの協定があったりする。奄美大島の集落奄美群島で面積、人口、集落数が一番多い島が、奄美大島になります。総面積812㎢※で、沖縄本島、佐渡島の次に大きな島です。※加計呂麻島、請島、与路島の面積を含めています。奄美市、瀬戸内町、龍郷町、宇検村、大和村の5市町村に約5.8万人が住み、140以上※の集落があります。でも、㎢あたりの人口は72人と少なく、集落に密集して人が住み、集落以外はそのまま自然が残っています。※集落数には加計呂麻島、請島、与路島の集落を含めていますが、名瀬地区は含んでいません。奄美市(名瀬地区)の集落情報を見る →奄美市(笠利地区)の集落情報を見る →奄美市(住用地区)の集落情報を見る →瀬戸内町(大島側)の集落情報を見る →瀬戸内町(加計呂麻島・請島・与路島)の集落情報を見る →龍郷町の集落情報を見る →宇検村の集落情報を見る →大和村の集落情報を見る →>> 奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島の暮らしに関するその他の情報を探す